1チップMSXにまつわるお話(後)

今回は、1チップMSXを書き換えて使いこなす(=MSX2にバージョンアップする)ために必要なものを紹介していきたい。

まずは、普通にMSX1として使うための方法を見ていきたい。

1チップMSXのセット内容を見る限り、MSXとして使うために最低限必要なものは以下のようになる。

  • ビデオ入力端子を備えたテレビ
  • PS/2用キーボード

これに加え、MSX用ジョイパッドやゲームカートリッジを使用することで、楽しみの幅が広がることになる。

SDカードをディスクドライブとして使用可能なので、ディスクを使いたい場合で、実機で使っていた外付けディスクドライブがない場合は、これが必要になる。

もちろん、これだけでは1チップMSXは本当に「MSX1相当のハードとしてしか」使うことができない。

前回も述べたとおり、1チップMSXの最大のウリは「ハードの変更」である。

1チップMSXに使われているのはハードウェアの内容を書き込んで動かすための「FPGA」と呼ばれるチップで、これに対してプログラムやデータを書き込むことで、まさに「任意の」ハードとして使うことができる。

しかし、アスキーの1チップMSX予約受付サイトを見ていると、

・FPGA入出力ピン(40ピン、および10ピン)

という記述があるにも関わらず、

ケーブル類は付属しません。必要なケーブルは、各自でご用意ください。

FPGA入出力をつかさどるはずのケーブルが添付していないのである

また、Windowsパソコンがないとハードウェア言語がコンパイルできない。さらに、1チップMSXとパソコンをつなぐためには、パソコン側にプリンタポートが必須となるため、必要なものは以下のようになる。

  • Windows98以降を搭載したパソコン
  • パソコン側にプリンタポート
  • ケーブル

このケーブルはダウンロードケーブルと呼ばれ、パソコンからFPGA側にデータを書き出すために必要なものだ。

さて、このケーブル。どうやって手に入れれば良いのだろうか。

アスキー側では1チップMSXは、MSX2へのバージョンアップが可能と説明している。

MSX1からMSX2へのアップグレードを行うための「MSX2バージョンアップキット(仮)」(書き替え用ケーブル、およびデータCD-ROMが付属)の商品化と販売も検討している。

どうもこのケーブルが、その正体らしい。

またそのほかに、完成品を購入する、自作するといった手段が考えられる。しかし、一番お手軽で保証つきなのは先の「バージョンアップキット」付属のケーブルということになるのだろう。これを使用してWindowsから書き込むことによって、1チップMSXはMSX2としても使用可能となる。

今から1チップMSXを使って遊ぼう、と思った場合で、MSX2がほしい場合は、1チップMSX以外にWindowsパソコンやら何やら、様々なものを買い揃える必要が出てくる。

もっとも、ネット環境があって予約必須という時点で、高確率でこのハードルはクリアできるのだが、Macのみを使用している場合など、使えないケースが多々発生すると思われる。

中でも一番多くの人がつまづくであろうポイントが、「ケーブルの入手」であろう。

一番手っ取り早い方法は、上記のバージョンアップキットを購入する方法であろう。実は、MSX2にバージョンアップするために、どうしてもバージョンアップキットを購入しなければならない、ということはないのである。

ケーブルは自作可能で、そのための情報は公開されている。実はMSX2への変更は、自力で言語を書き換えて入れることでも可能になる。

MSXAにしてみれば、自分でやることでかえられる分の値段をとりたくなかったのだという。ケーブルを添付すると、本体価格が結構なアップとなってしまうらしい。

自作可能なケーブルが何故そんなに高いのか、と思われるかもしれないが、量産体制のないものである上、アルテラ社純正のケーブルは、驚いたことに25,000円くらいするのだというから大変なことだ。互換ケーブルでも1万円以上。自作キットはその半額だ。

手軽な手段とはいえ、チップを書き換えるための手段として、かなり大掛かりな仕掛けが必要になるのは間違いなさそうだ。

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