スクリューブレイカー 轟振どりるれろ

中小メーカーの中でも、高い評価を受けるゲームを長きに渡って作りつづけているメーカーのスタッフによる2Dアクションゲームが、ゲームボーイアドバンスで続けて発売になっている。
2週前はこの「スクリューブレイカー~」で、今週は「ガンスタースーパーヒーローズ」。前者はゲームフリーク、後者はトレジャーの開発である。
その性質は正反対で、前者がじっくり取り組むアクションゲームなのに対し、後者はガンガンバリバリのド派手アクション。
しかし、両方のゲームには共通するキーワードがある。
「爽快感」である。
ドリルを使って障害を破壊しまくる爽快感。これがこのゲームの本質、に見えるが実は全く違う。
タイトルにもあるとおり、このゲームはドリルを搭載したロボットを操り、敵や障害物を蹴散らして進むアクションゲームである。上下左右に広がるフィールドを移動し、障害物を破壊し、ときにはパズルを解きつつ進んでいく。
と、書くと特徴がなさそうに見える。しかしてこのゲーム最大の特徴は「ドリル」であり、ドリルをさしおいてこのゲームを語ることはできない。
まず、このゲームは振動機構を搭載しており、ドリルを操ることでゲーム機ごと震える。
なお、ゲームボーイプレーヤーを使用しているとコントローラだけが震える。芸が細かい。
RもしくはLボタンを押すことでドリルが回転し、攻撃や突き刺しなどを行う。
ドリルの強さは3段階あり、ステージごとに隠された「ギア」を回収することにより強化される。
ギアを手に入れることで「ドリアップ」が出来るようになり、シフトアップの要領で同じボタンを押しなおすことで、回転時間および威力がアップする。
ステージをクリアするためにはギアを回収し、ドリアップを使いこなさなければならない。
ドリルテクはドリアップのほかにも、突き刺したまま方向キーを入れっぱなしにしておくことで破壊したブロックを「突き破って」前に進めたり、突き刺した状態で逆回転ボタンを押すことで反対方向に飛び上がる技などが用意されている。
また、ゲームが進むと多彩なギミックが登場する。上記テクニックや頭を使って切り抜ける楽しみも持ち合わせている。
各面のボスもよく練られている。弱点を上手に突くことで簡単に倒せるものがほとんどだが、反応が良くないと厳しい相手もいる。基本的にはパターンを読んで攻撃をしていけば、楽に倒せるものが多い。後半のボスはなかなか厳しい相手がそろっているが…。
謎を解き、ボスの攻撃を打ち破ったときのカタルシスの開放、これこそがこのゲームにある「爽快感」だと筆者は感じている。
ドリルで硬くないものをどんどんぶっ壊すだけでない。ひたすらに硬いボスに、やっとの思いでチャンスをつかんだ上で、攻撃をぎゅんぎゅんと加えていくのは、振動との相乗効果もあいまって、非常に気持ちが良い。
ちなみにエンディングを迎えるまでにかかる時間は、筆者の腕でおよそ5時間程度と、あまり長くない。クリアするまではステージ中に進めないところが多く、また隠しステージもそろっていないのでフラストレーションがたまる。クリアこそしてしまえばさらに熱く楽しいステージが待ち構えている。
個人的には「クリアしてからでないと本質が味わえない」というのはあまり好きではないが…。
ゲームの腕前は人それぞれであるから、クリアするまでの壁が高いのはよろしくない、ならばクリアしてから深くやりこんでもらおう、というのは当然の流れか…。
携帯ゲームであることを意識してか、中断はステージ単位でなくステージ中のフィールド単位で可能である。またコンティニューも(お金さえあれば)その場で可能と、実に至れりつくせり。
ゲームの雰囲気と「しゃがめてジャンプも出来る戦車(?)」ということで、筆者は「メタルスラッグ」を思い出した。
攻撃方法こそ違えど、出てくる敵の動きの細かさなど、メタルスラッグにかなわないまでも似た空気をかもし出している。
音楽も全般に90年代ゲームミュージックに近い雰囲気。通常ステージでギアをレベル3まであげたときの曲が非常に軽快で良い。ゲームミュージックファンには是非聴いてもらいたいと思う。
始めた当初は「まあこんなものかなあ…」という感じであったが、遊びこみ、このゲームの本質に触れたとき、はじけるものを感じた。
製作側の愛を非常に強く感じるこのゲーム。「普通」のゲームに飽きたという人にこそ遊んでほしい1本。お手軽だから積む間もないほど早く終わらせられるよ!
ただ、LとRが攻撃ボタンである上に、この2つのボタンをかなり酷使するため、ゲームボーイミクロでのプレイはかなり厳しいものが予想される。遊ぶなら他のコンソールをオススメしたい。

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