SEGA AGES 2500 Vol.28「テトリスコレクション」(RA)
発売日・2006.9/28
ハード・PS2
もともとパソコンで発祥し、爆発的に広がっていたテトリスを、アーケードというフィールドへ持って行ったセガ。
パソコン版および、それを移植したファミコン版の操作方法は、「下で回転、ボタンで瞬間落下かつその場所で固定(現在のハードドロップ)」であり、それが普通と思われていた。
アーケード移植の際に、現在の操作方法のベースとなる「ボタンで回転、下で高速落下」という合理的なシステムを取り入れた。
現在のテトリスのパイオニアは、実はセガなのである。
現在はテトリスの版権は「The Tetris Company」により一元管理され、新作を出す際には操作方法、回転法則、ブロック…いやテトリミノの色に至るまで定められた「ガイドライン」を守り、審査を通過する必要がある。
現在巷にあふれるテトリスがほぼ同じようなルールを採用し、凸型ブロックが上を向いた状態で出現するのも、このガイドラインがあるためだ。
昔のシステムを搭載したテトリスはもう出せないのではないか、と危惧していたそのとき、このゲームが登場した。
セガの開発したアーケード版「テトリス」は、システム16(猿が出るほう)、システムE(猿が出ないほう)の2バージョンを収録。また日本未発売のメガドライブ版もくわえ、3種類を完全移植している。
まさに、奇跡とも言える。
完全移植であるから、テトリスDSや携帯電話アプリのテトリスで慣れた者からすれば、昔の窮屈な操作性が完全再現されている。また、テトリミノの出現確率も一切コントロールされていない為、4本連続で棒が来るなど日常茶飯事。まさに「頑固オヤジのテトリス」だ。
また、アーケード版「ブロクシード」「フラッシュポイント」も収録している。恐らくテトリスおよび、テトリスのシステムを使ったセガのゲームはこれで全て。「セガテトリスの完全版」と言って間違いないタイトルだ。
しかし、曲がりなりにも新作であるため、最新のワールドルールに従った新作「ニューセンチュリー」も収録されている。こちらはテトリスDSや携帯電話アプリ版に近い操作性がみられるが、セガテトリスらしい調整が施されている。
セガテトリスのファンからしてみれば、このモードはもはやオマケに過ぎないのであるが、テトリスカンパニーの決まりで、このモードがデフォルトに設定されている。
アーケードで猿に泣かされた人、今のテトリスはヤワくていかんという懐古主義者、そして何より「セガテトリス」を愛する人のマストアイテムである。
逆に、素人には全く持ってお勧めできない。あまりにも極端、それがセガ…なのか。