SSDをSATA接続からM.2(PCIe3)にクローンしようとしたら大苦戦した話

メインのPCを先日作り変えたわけですが、ストレージは変えなかったのでSATAのみの接続で事足りていました。しかし、手持ちのSATA接続のSSDは容量が120GBしかなく、見てみると残り10GB程度しかないことがわかり、急いで容量の大きいM.2のSSDを発注しました。

使ったのはこれ、Western Digitalの500GB NVMeです。スペックだけ見るとチョッパヤです。購入したのは誕生日割引の効く別のネットショップで、別途ヒートシンクをヨドバシに発注。準備万端に見えました。

到着したSSDとヒートシンクを組み立て、マザーボードにアクセス。グラフィックボードの下に、SSDの入るスペースがギリギリ確保されています。しかしここで気づいてしまいました、固定用ネジがない!

とりあえず暫定で両面テープを使って固定、ネジはまたヨドバシに発注しました。とりあえず明日来るからそれからやり直せばいいか…と思って。

で、いよいよSSDのデータをクローニングするわけなんですが、ソフトの選定でかなり迷いました。3つくらい見たのですが、最終的にEaseUs  Todo Backup Free 12.0を使用しました。

結論から言うと、コイツを使うことでブートセクタのコピーやドライブレターの変更までやってくれるすぐれもんであります。ただ、使い方にコツがあって、それを把握するのに多大な時間と犠牲を払ったわけなんですが…。

さてまずは、何も考えずに軽い気持ちでクローン処理を開始。100GBないので15分かかりませんでした。で、よせばいいのに「ディスクの管理」からブートドライブの設定を変更してしまったのです!

トラブルのもととはつゆ知らず、再起動をかけてBIOSセットアップに入りました。起動順をもとからあったSSDよりも上にM.2が来るように修正、再起動。

当然、ブート情報がありませんから、起動しない。クローニングした先のドライブからも起動しない。そう、「BOOTMGR is Missing」エラーです。

どちらのドライブからも起動しなくなってしまい、さて困った。しかしそのような状況を救うツールがあるのもまた事実。初めて、「testdisk」の門をたたくことになったわけです。

妻のPCを借りて「Ultimate Boot CD」を作成、これに入っている「Parted Magic」を起動するのが次のステップです。

ダウンロードサイズはCDイメージで約700MBあるので、できるだけ物理的に近いところから落としましょう。日本からだと、香港のサイトが比較的速かったです。落としたら、CDのISOイメージを焼き込む必要があるので、専用のツールを使って焼き込んでください。光学ドライブ積んでないよーという場合は、USBメモリに書き込む方法もあるので調べてみてください。

CDから起動すると、すぐにメニューが出現したので、ここから「Parted Magic」を選択します。デフォルトの設定で良いと先人が語っていましたので、それでやってみました。

しかし、またもトラブル。「Parted Magic」が起動しません。途中でCDからの読み込みがストップしてしまうのです。とりあえず、解像度は落ちますがデフォルトの設定ではなく「FailSafe Menu」から「FailSafe Mode」を選択することで動かすことができました。

「Parted Magic」はGUIですが、「testdisk」はコマンドラインツールです。画面左下にあるモニターのマークをクリックすると、ターミナルが起動するのでtestdiskと入力すると起動できます。

見てみると、さっき増設したSSDが見当たりません。仕方がないので、増設前のシステムドライブにブート情報を書き込んで再起動したところ、古いドライブからは起動するようになりました。

「testdisk」の使い方にはここでは触れませんが、何故か普通のファイルが入ったパーティションが削除状態になっていたので復活させました。起動しなかったときは本当に焦りましたが、回復してよかった…。

再び起動順を変更、もとからあったSSDを優先させます。

改めて、増設したSSDにEaseUs Todo Backup Free 12.0で有料の「システムクローン」ではなく無料の「クローン」を実行。クローン元ドライブを選択して先に進み、次に高度なオプションで「SSDに最適化」にチェックを入れます。続いて、移行先SSDを選択して「編集」をクリックして、クローン元SSDに近いパーティション構成にします。容量の多いSSDにクローンを行うのですが、初期状態ではクローン元SSDの容量と同じだけしか確保されませんので、メインで使う領域はめいっぱいまで容量を確保します。クローン後にサイズ拡張もできないので、しっかり確認しましょう。

再度のクローン、またも約15分待って完了しました。ドライブレターの入れ替えまでやってくれるのですが、このとき不要なドライブレターは削除することを勧めます。

Windowsマークで右クリックし、「ディスクの管理」を選択するとどの文字が割り当てられているかわかりますので、今度は「DiskPart」というツールでドライブレターを削除します。使い方は割愛しますが、削除できたらPCを再起動して、三度BIOSセットアップに入ります。

もう一度、増設したSSDのプライオリティを増設前のSSDより高くすればOKです。

この状態でうまくWindowsが動けば成功。ここまで来るのに半日使ったので、感激もひとしおでした。しかし起動時間はあまり変わらずというところでした。これにはいくつか原因があるのですが、まずブートドライブの形式がMBRのままというのが挙げられます。

ドライブのフォーマット形式には2種類あり、MBRとGPTに分かれています。MBRはWindowsXP以前からの形式で、GPTは比較的新しい形式になります。GPTでないと、ブートドライブの容量が2TBを超えられなかったり、今の高速ブートに対応できないのですが、10年前から引き継いで使っているマシンなのでMBRのままという状況なのです。

次のシステム更新では、Windowsのライセンスを買い直してGPTで作り直し、高速ブートに対応させたいなと思います。まあ、今のままでも十分速いっちゃ速いのですが。

もうひとつの原因として、いくらM.2の高速SSDでも、ランダムアクセスのスピードは劇的に変化していないというのがあります。こればかりはなんともならない話なのですが、数度再起動を繰り返していたら起動が速くなってきた気がします。もしかすると、システム側で最適化が行われているのかもしれませんね。

なにかのお役に立てば嬉しいです。

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